きさ:
このあいだの西宮セミナーでの話だけど、
フウチで使う「Ge3ゲージ」を欲しい人に配っていた時に、参加者の一人が
「前も貰ったことがあるけど、もしかしたらなくしたかもしれないので、
とりあえず、貰います」と言った瞬間に
”上”から「アカン!」と強いメッセージが来たんよ。
自分でも使う言葉だし、そんなに否定的に捉えている言葉ではなかったんやけど・・・
あれはもう、斬り捨て御免、拒絶ってレベルだったね。
つる:
うわぁ・・・
「無礼者!って斬り捨てられても仕方がない」っていうレベルですか?
きさ:
そう。ホンマに強いメッセージだった。
神社に犬を連れてくる輩に対して「もう相手できないわ」って離れていくレベル。
つる:
ひぇぇぇ〜〜〜!!!
きさ:
10年以上かけて”上”と仲良くなれたと思ってる人でも、離れていくレベルやね。
あの時説明したつもりやけど、「それくらいなんやで」ってことが
ちゃんと伝わったかなぁ?と思ってる。
だから、上耳噺でもう一度話しておこうと思って。
つる:
(頷)
きさ:
「とりあえず」っていう言葉を
「どっちつかずで、とりあえず唾をつけておく」っていう意味で使ってるやろ?
そんなの中途半端や。
中途半端は中途半端なまま終わってしまう。
その言葉を使う方も、聞く方もアンカーがされてない。
「とりあえず」っていう言葉を使うと、とりあえず、にしかならないよ。
「とりえあず」と似たような言葉で
「ひとまず」っていうのがあるけど、これも良くない。
ちょっとはマシやけどね。
つる:
「ひとまず」も「斬り捨て御免」レベルですか?
きさ:
どれくらいかって言うと、
「とりあえず」は、斬り捨ててから、線をプツンって切る感じ。
「ひとまず」は、ハリセンで叩かれた後で、線を切る感じ。
つる:
線を切る?
きさ:
この前話した「役目がわからない」って文句言って”上”が離れていってしまうことを
僕は「線が切れる」って言ってる。
つる:
縁じゃなくて、線ですか。
接続を切るっていう感じかな。
きさ:
「とりあえず」も「ひとまず」も、富士山の9合目と8合目半くらいの違いやね。
つる:
「とりあえず」っていう言葉を辞書で引いてみると、
「ほかのことは差し置いて、まず第一に」とか「何はさておき」とかいう
「今すぐ」っていう意味が強い言葉なのに・・・
いつの間にか、本来の意味と違う使い方を私たちはしちゃってたんですね・・・
きさ:
「言葉はもっと大事に扱わないとアカンよ」ってことなんやろうね。
きさ:
日本には、色に関する言葉ってたくさんあるやん。
例えば「みどり」を意味する言葉でも、
緑、黄緑、青緑、若草色、萌黄色、浅葱色、鶯色・・・めっちゃたくさんあるやろ?
アメリカ・インディアンにはもっと多くて、
例えば「桜」を指す言葉が75くらいあるらしい。
つる:
75段階!そんなに!!
きさ:
単純に桜の樹を示す言葉から、
川の向こうの桜の樹とか、山の上の満開の桜の樹とか・・・
つる:
ありとあらゆるバージョンがあるんですね。
きさ:
そういうことが、彼らの、僕らの生活に必要だからあるんやろうけど、
そういうことを見分けるセンスって言うのかな?
その違いが判る必要があったんやろうね。
つる:
いつの間にか私達、なんだか単調に、
薄っぺらい感じで言葉を使っちゃってるんですね・・・もったいない・・・
きさ:
我々は、言葉の本当の意味を忘れてしまってるんやろうなぁ。
”上”に関することだけじゃなく、日常生活でも大事に扱わないとアカンのやろうね。
つる:
”上”に関することは、特に大事に扱わないとダメですね。
きさ:
そらもちろん!
何が失敬かを考えずに、言葉を作った相手と喋るんやから・・・
前から僕は「”上”が言うエネルギーの単位は¥(エン)だ」って言ってたやん。
その頃は「なんで『エン』なんだ?」っていうのがわからなくて、
「何かわからないけど『エン』やねん!」って言ってたけど、
最近になって「Ge3がいう『よいしょ』とは」っていうのが
井戸の話や洞窟壁画の話でわかってきだして、
やっと「¥」は「よいしょ」の「Y」だっていうことがわかってきた。
そういう段階を経てきて、最近やっと「お金」ってモノが本来はどんな姿なのか、
そして現在の、本来の意味から乖離している状態が
よくよく理解できるようになってきた。
そういうのを理解しようとしているところで
「とりあえず」なんて、とんでもないと思わない?
つる:
極めて失礼な感じが・・・
きさ:
「ちょっと怒られた」って程度の感じじゃないってことが、
「ホンマに失礼なことなんやで!」っていうのが、伝わったらいいんやけどね。
(「単純・複雑な言語」に続く)