(「OS比べ」の続き)
きさ:
今までは『手間をかける vs お金』っていう対比で、
お金をかけるか、手間をかけるかっていう天秤だったけど、
もう「手間をお金で買えるというのはウソ」っていうのが、
ものづくりでわかってきたやろ?
Ge3の石けん作りなんか、まさにそのものやんか。
つる:
最近の普通の石けんは便利なので、時間と手間の短縮に石けん素地を使っている。
それに対して、石けん素地でなく、オイルから手間暇かけて作ったほうが、
やっぱり物凄くよいモノができるってところですか?
きさ:
そうそう。
もちろん「ほんものの材料・製法」であるからこそ、
高Ge3値なモノが作れるわけやけどね。
それって石けん作りだけじゃないねん。
こねくりまわさない方がいいのは、食べ物なんかもそう。
最近みんな、味の素使う?
つる:
そういえば使いませんね。
「オムライスなのにケチャップがない!」って、
コンビニに走って買いに行くってのは聞きますけど、
「ごはん作るのに味の素がない!」って、
コンビニに走って買いに行くってのは聞いたことないですね(苦笑)
きさ:
ホンマや(笑)
ひと昔・・・ふた昔前は、どの家の台所や食卓にもあって、
漬け物でも、炒め物でも、豆腐にでも、
あんなに何にでもかけてたのに、最近はあまりかけないやん。
もちろんある程度には底上げする力があると思うよ。
底上げされてシアワセな時代があったんやろ。
でも、今はそれじゃあ満足できないねん。
ある程度以上にはならないってことをみんなわかってるんやろうな。
あるものを、あるように調理したら、
味の素を入れるより美味しいってことをみんな知ってるねん。
手間を惜しまなければ、味の素を入れる必要がない。
つまりタダやねん。
つる:
タダだけど、労力はかけてる。
つまり「金銭に換算できない価値」ってやつですね。
きさ:
料理でも、農業畜産業でも、製造業でも、なんでも一緒。
つる:
私がぱっと思い浮かぶのは、奥さんが家でしてる家事や家族へのサポート、
それから長年良い土に育ててきた田畑とかですかね。
決してお金に換算できない価値がそこにある。
きさ:
うん。電力の話でもそうやん。
「原子力で電気を作るのは安く作れる」とか言ってても、
それは換算できる部分だけを計算して「損だ」とか「得だ」とか言ってるだけで、
お金に換算できない価値のあるモノは全く無視されてるよ。
今現在、そういう被害が実際起こってるわけやん。
つる:
とても酷い話です。
きさ:
そもそも資本主義が基本とする原価を割り出す方法が間違ってるねん。
根本的な考え方がズレてる。
あらゆる価値をお金に換算してるけど、そんなの無理。
世の中どんどん複雑になってきてるのに、
お金っていうモノサシはシンプル過ぎるねん。
つる:
お金っていうモノサシを大事にする人ほど、何かがズレていってる気がします。
きさ:
そのズレは幻想やね。
お金っていう幻想を見てるねん。
きさ:
あらゆる価値をお金に換算できること、そしてそのお金を経済活動で回すこと、
これが資本主義のベーシックな考え方とも言えるんやけど、
モノサシがすべてお金なわけ。
でもそろそろ「手間をお金で買えるっていうのはウソ」っていうのが、
ものづくりでわかってきた。
つる:
Ge3のものづくり・・・
石けんとか、みんなで作って食べた、自家製ベーコン、パン、豆乳・・・
あと、買うモノでも、お米とか、
今までたくさんオンオフ両方で話してきたことですよね。
きさ:
うん。
「お金っていうモノサシで全てが計れる」という前提で資本主義社会は動いてる。
中国なんかも共産主義の皮を被ってるけど、内情は資本主義的・・・
つまりお金で動いてきてるわけや。
それって物凄く単純極まりないモノサシやん。
そんな単純なモノサシで間に合ってた時代もあったやろうけど、
どんどん複雑になっていく現代には、もうそのモノサシじゃ間に合わないわけ。
放射能による汚染も、あんなのお金に換算できるわけないやん。
つる:
無理!!
長年大事に肥やしてきた田畑とか、安全に暮らせる空気土地とか、
マスクなしで暮らせる汚染されていない世界とか、そんなの換算できっこないですよ!
きさ:
単純なモノサシじゃ計りきれないやろ?
つる:
みんなが欲しいモノ・・・
「安全」「心の豊かさ」「ほんとうの質の良さ」それから・・・
値段がつけられないっていう意味では、
『無料か、有料か』のキーワードの中でいうと、
無料で今まで手に入れてきてたわけですよね。
この「無料」っていう言葉の裏には、
「お金に換算できない価値があるモノ」っていう意味が隠れている感じがします。
問題は、「ほんとうの価値を感じて、大事にできるかどうか」ですね。
前に話しましたよね。
ほんとうに大事なところ、「何が大事か」ってことを知ってるかどうか。
知ってるだけじゃだめですね。
大事にすることができないと。
(「飛び抜けて素晴らしいモノ」に続く)