(「試す人:2」の続き)
きさ:
前に言ったっけ?
旦那さんに変なモノが憑いて、心の病になって、
ノイローゼになって仕事に行かなくなった、と。
それをなんとかできないかなって紹介されて、僕に相談に来た人の話。
結婚して5年経ってなかったと思う。
若い人なんだけど、知り合いのお医者さんの紹介で会ったんやけど・・・
まあ、僕を紹介するお医者さんだから、だいたい怪しいのは判るでしょ?(笑)
「怪しいなぁ・・・」と思いつつ会ったんやけど、
話を聞いたら、何か憑いてるっていうのが判ったので、
「それ、取ってあげられるけど、ちょっと費用がかかるよ」って言ったわけ。
「話を聞いて、調べて、エネルギーを放り込んで処理するから、
全部で3時間くらいだから25,000円かな」って言うと、
「今は半分払って、家に帰って主人が治ってたら残り半分払います」って言ったわけよ。
なゆ:
えぇっ!?
きさ:
僕もまさに「えぇっ!?」ってなってね(笑)
なゆ:
そりゃ「えぇっ!?」ですよ!(笑)
きさ:
紹介された時に「たぶんこの話はダメになるかも・・・」って会ったんだけどね。
そして紹介してくれた人に、そのことを伝えた。
その後、旦那さんは病院に入ったよ。
なるようにしてなったのだろうと思う。
せっかくいろんなチャンスが用意されているのに、
使えないというのか、使わないのやね。
神社のお札をもらう時に「5000円」って言われて、
「効いたら払うわ」って言うのと同じじゃん。
なゆ:
本当にそうですよね(笑)
きさ:
うん(笑)すごい根性やなぁと思うねんけど(笑)
なゆ:
例えば、きささんに相談をした時に提示された金額が5000円だったら、
奥さんは「お願いします」って言ったんですかね?
きさ:
う〜〜〜ん・・・そうかもしれないけど、なんて言うの?
病院に入るかどうか、自分の人生のターニングポイントの話でしょ?
それ、5000円なの?
なゆ:
「25,000円は高いからちょっと・・・」って考えちゃったのかな?
と思ったんですけど。
きさ:
逆に5000円って言ったら、怒る人は半分以上おるで。
なゆ:
怒るんですか?
きさ:
怒るよ、本当に。
例えば「料金ってどういう意味か?」っていう話をするやんか。
今みたいに「『あなたの人生のターニングポイントは5000円です』
って言ってるようなモンやで」って言ったら、びっくりするやんか。
そして怒り出す。
「ワシは5000円か!」って。
「お前が言ったんやん!」って思うんだけど(笑)
なゆ:
でもそういう人って、2万、3万って高額になったらなったで、
また躊躇うわけですよね。
きさ:
うん。紹介で来てるから、当然それくらいだと聞いてるはずやけどね。
今、なんでも安いモンにどんどん流れていく風潮があるって、よく言ってるやんか。
「立ち食いのフランス料理があるらしいで」とか、話してるでしょ?
その話もやっぱりそれやねん。
自分で自分の価値をそこに落とし込んでるのと同じだと、僕は理解してるんだけどね。
この間、Bさんが真空管式のアンプを売るっていう話をしたけど、あれもそうやね。
自分の限界っていうのは絶対あるから、今払える額はこれだけなんだっていうことと、
モノの価値はこれだけあるんだっていうのは、また別の話なわけで、だから、
「なんとかして残りは払うから、とりあえず10万円で納得して譲ってくれないか?」
っていうのが、一番マシな解決策やと思うけどね。
10万しかない人が100万って言われて困ってる話はまた違うですやん。
今言ってるのは、10万って言ってて12万が払えないとか、そういう場合の話。
(終)