(「『日焼け=ブサイク』の呪縛」の続き)
きさ:
マーケティングは何かっていうと、数字にしないとわからない人たちのこと。
つる:
数字でモノを語る人たち。
きさ:
なんで数字にするかっていうと、わからない人にわかった気にさせるため。目安やね。
つる:
料理の「お塩少々」がわからなくて、
「それは何グラムですか?」と尋ねる人たちとか・・・
きさ:
わかる人だったら、「少々」って言ったら「じゃあ大体これくらい」ってわかるよね。
そういうさじ加減がわからない人のために作った数字が、マーケティング。
つる:
でも、その数字がすべてではないですよね。
数字にのせきれないモノがある。
きさ:
うん。
つる:
マーケティングとかの数字も、いろんなモノを表現する一手段ではあるけれど、
その数字がすべてを表しているわけではない。
震災や放射能漏れの問題の時も「被害総額はいくら」みたいに換算してるけど、
とてもじゃないけどお金に換算できるモノじゃないですもん。
きさ:
衆議院議長だったときの扇千景の有名な台詞・・・
「東京に地震なんて、そんなの起こりませんよねぇ」みたいな発言があるから、
「わからない人なんだ!じゃあ数字で説明するしかないのか・・・」って
なってしまうんやろ。
つる:
負の遺産の多い人が、政界になんと多いことか・・・
きさ:
少子高齢化の問題も、マーケティングやね。
何処と何を比べてるの?っていう話。
何と何を比べて「少子高齢化」と言っているか。
別に比べなければわからないやろ?
つる:
比べなければ問題じゃないってことですか?
きさ:
そういうこともあるよね。
つる:
前と違うってことを問題視するなら、ずっと進化できない気がします。
beforeの前じゃなくて、 futureの前を見ていかないと。
きさ:
でも、そういうヤツの時代はもう終わるよ。
マーケティングっていうのは、
つまり「誰かが無理やり作ろうとしているパターン」やねん。
つる:
そうすると扱いやすいからかな。
きさ:
動かしやすいんやろうな。
数字だけに囚われてるそいつらが、世の中を動かしてる。
でも、もう終わるよ。
それが「資本主義が終わる」っていう話に繋がってくるわけ。
つる:
何年も前からセミナーで言ってるその話に繋がっちゃうんですね。
きさ:
うん。
今、世の中でされてるマーケティングのほとんどの話は、
「マーケティング=商売」っていう話じゃなくて、
「マーケティング=数字」っていう話。
数字でモノを語るヤツらの時代が終わる。
つる:
問題の根幹はマーケティングにある。
数字に惑わされるっていう・・・
きさ:
アメリカ的マーケティングを真似した日本は、Ge3値が高い車が作れなくなってるよね。
欧州では新しく出す車、出す車、126pクラスの車ばかりだというのに。
このあいだTOYOTAが出した車のGe3値たるや、酷いモンだよ。
本当にマーケティングから自立したほうがいい。
いいこともあるかもやけど、ろくなことがない。
つる:
わからない人が「わかる」と錯覚してしまったことによる悲劇のほうが多そうです。
ほんとうにわかる人が追いやられちゃって・・・
その瞬間はよくても、後々引き起こすことがやっかいそうですね。
きさ:
本質に戻った方がいい。
この「本質に戻る」っていうのは、原理主義に戻るかそういうことじゃなくて・・・
つる:
ほんものを大事にするとか、そういう感じでしょうか?
きさ:
どう言えばいいかな?
前にママプリンの話をしたことあるやろ?
「ママプリンで騙された!」って言ってたやつ。
つる:
ああ(笑)あの話。
きさ:
僕が小さい頃、ママプリンっていうインスタントプリンがあって、
粉と水を入れて混ぜて冷やしたらできるやつ。
妹の分も作るのが、小さい頃の僕の仕事だったんやけど。
つる:
おにいちゃんですね(*´艸`)ウフフ
きさ:
それで、デパートに行った時、
初めて本物のプリンを食べたら、ものすごく美味しくて驚いた。
つる:
本物のプリンより、ママプリンの方が先だったんですね。
きさ:
そう。
それでさらに、自分で作ってみたら、ママプリンより美味しくてびっくりした!
しかも、ママプリンで作るより簡単で、混ぜて蒸すだけ!
つる:
そこで「騙されたー!」ってなったんですね(苦笑)
きさ:
うん。先入観よな。
本物のプリンより、ママプリンのほうが先だったんやもん。
それで、その罠に僕は小学生の時に気がついたわけ。
これと同じようなことがいっぱいあるのと違うかな?
ベーコンも自分で作ると美味しい。しかも簡単だし。
つる:
うう・・・前に作った燻製、思い出すだけで涎が出ます。
添加物や変なモノが入ってないのはもちろん、超☆美味しかったですよね〜。
また作りましょう!(笑)
きさ:
(笑)
カレーもルーより粉を混ぜて作ったほうが美味しいしね。
卵もそこら辺を走り回ってる地鶏の産む卵は美味しいのに、
ケージに入れられて卵生産機みたいにして産まされてる卵は、
抗生物質とかビタミンとか、いろんなモノが入ってる。
もちろん美味しくない。
つる:
味が薄いですよね。
きさ:
ペラペラした味。
ホンマは「簡単=美味しさ」なのに、
誰かに「簡単vs美味しさ」って思い込まされてないかな?
つる:
美味しいモノを作るのは難しいと思い込まされてる。
誰に?・・・うわぁ・・・!
きさ:
日本酒とかワインなら「味がわかる人、わからない人」ってのがあるのは普通なのに、
他の分野ではなぜそれがないんやろ?
つる:
ほんとですね。無理やり数字に落とし込めちゃえるから?
きさ:
日本酒やワインは、数字に/マーケティングにしにくいから、
難を逃れることが出来たんじゃないのかな?
つる:
私達、マーケティングにみっちり侵されていますね。
きさ:
食にも、美にも、オーディオにも、僕等の身の回りすべてにおいて、
注意しておいたほうがいいコトやろうな。
つる:
セミナーとかで話してて、ハッと気づけば、
いつの間にかマーケティングの罠にハマってる自分がいて、
「うぉ〜気づけてよかったぁ!」と(苦笑)
きさ:
ふっふっふ・・・(笑)
わからない人は、3通りあるよ。
1.ボンクラ
2.鈍感
3.知らない
3の「知らない」なら、ただの経験不足・情報不足やから、期待はできるよね。
つる:
自分が何処に当てはまるのか・・・分野ごとに違いそうですが(苦笑)
きさ:
アッチがわかったらコッチもわかるっていうのはお門違いってこともあるわな。
つる:
食にも、美にも、オーディオにも、
私達の身の回りすべてにおいて、注意しておかないと・・・
マーケティングの罠。
うわぁ・・・すごいこと聞いちゃったなぁ・・・(苦笑)
(終)