きさ:
建築家はちゃんと勉強して来た上で、
「耐荷重がどれだけで、加速度がどれだけで・・・」って構造計算をして、
家の設計をしてる筈なんよね。
でも、神戸の地震の時なんか、近くの建売住宅なんかは玄関の庇が全部落ちてた。
皆揃って落ちてる訳よ。
屋根が落ちてないからまだ良いと思われるかも知れないけど、
庇が落ちるだけでも大変ですよ。
「もし人の上に落ちたらエライことやで!?」って思うねんけどね。
建売の業者さんは考えてない確率が非常に高いと思うね。
あの地震の時に思ったのは、
「建築家の多くも、良く判らないで家を建ててる」っていうことやね。
それが判ってる建築家は2割やろうと思う。
なゆ:
国家試験を受けて建築士になってるはずなのに!?
そう考えたら怖いですね・・・やたらに任せられないですね。
きさ:
多分、国家試験を実施してる側も8割の確率で判っていない。
クルマ屋さんの世界も同じで、判ってクルマを修理してる人は2割やと思う。
8割は判らないけどマニュアル通り、
最近はコンピューターの指示通りにやってると修理できてしまう。
「バッテリーの充電関係を修理してほしい」ってクルマ屋さんに行ったら、
依頼した箇所は直るけど、他のところが壊されて返ってくることが頻繁に起こる。
なゆ:
えっ?壊されちゃうんですか?
きさ:
そう。
「開ける時にネジが開かなかった」とか「割れた」とか言ってね。
そんなのしょっちゅうやよ。
なゆ:
どうして判らない人がほとんどになっちゃうんですかね?
きさ:
学校で習ったら判ると思ってるのやろうな。
単純な話、今の建築家は、学校出たらなれると思われてるでしょ。
マルペケのテスト通ったら、建築家になれる訳。
それで、国家試験を受けて通ったら、
「何平米以上は2級」「もっと大きな家は1級」って、免許くれるよね。
「家を作っていい」っていうお墨付きやから、作りよる。
でも、庇が落ちるか落ちないかがちゃんと判ってるかどうかのテストはしてないよね。
建築家同士では「あいつは庇を落とす」っていうコトが判ってると思うよ、違う?
それと同じことは土木の業界にもあるよ。
「あいつが作った橋は怖い」とか。
でも国家試験はもちろん通ってるわけ。
なゆ:
同業者の中では「あいつはダメだ」とか判ってるのに、
それでも試験の体制や内容は変わらないんですね。
判っていない人たちが作った試験のまま。
きさ:
うん。
医療の世界も同じだと思うけどね。
例えば、どれくらい内臓を取ったら人は死ぬのか?
それは、人の生命力には差があって、それによって変わると思うねんけど。
ものすごく生命力が強い人は、血を半分取ったって生きてるかも知れないけど、
弱い人は1割でも取ったら大変やと思う訳。
それが判らない8割の医者は、
「2割取っても大丈夫やと本に書いてあった」と言って、取るよ。
取ってみて「あれ?なんで死ぬんやろ?」と思うのと違うかなぁ〜?
なゆ:
それは日本だけじゃなくて、世界中でそうなんですよね。
それも全ての分野で起こってるコトなんですね。
きさ:
多分ね。
だから、Ge3で言ってる「2割・8割」っていう話は、本当は怖い話よね。
(終)